ocy運営日記

みなさんは、長年務めていた会社を辞めたことありますか？
これは、先月その体験を目の当たりにした私の実録レポートです！

去年の１２月、社長に退社を申し出る。
社長「そうか・・・・・決めたか・・・。」
私「ハイ、決めました。」
そのやりとりは意外にもあっけなかった。
１０年務めた会社に辞めると告げた日、会社という鎧がはずれ、身体が妙に軽くなったが、その反面かなりの無防備状態に気がついた。
そもそも会社をなぜ辞めるのか？
実はその時具体的なビジョンはなかった。
漠然としたまま退社までの時間をいつものように慌ただしい受注のなかハイペースで仕事をこなしていく日々。
どうもしっくりいく辞める理由がみつからない・・・。

残り３ヶ月、どこからもれたか福永やめる説が社内・外に漂う。
私も辞めると発表するタイミングがみつからまま時が過ぎる・・・。
社内のメンバーが妙によそよそしくなる。誰も直接辞めた理由を聞こうとはしない。
まあ聞かれてもうまく答えられなかっただろうが・・・。

３３年生きてきてはじめて俯瞰で自分を見てみた。
ＴＶ好きだった私はＣＭを何となく作りたいという漠然としたビジョンで１０年前に入社した。それからはとにかく人を喜ばせたい、見たことないものを世に出していきたいという思いのまま、がむしゃらにＣＭづくりに没頭していた。
生まれて初めて作ったテロップＣＭ、スクランブル交差点を友人と歩いていたら偶然パレット前の大型画面で流れたその瞬間の感動は今でも忘れない。
今、あの時と同じ感動があるのか・・・。
５年後の私。どうなっているかを考えたとき、今まで漠然としたものが少しずつ明確に見えてきた。多分このままだと、５年後も日々の業務に埋没しているだろうなあ〜。

そもそも５年後には○○さんみたいになれたらなあ〜的な目標とする人が私の中でいなかった。（偉そうな意味ではなく・・・）
○○さんみたいに、面白いこと次々にやって、あれだけ給料もらって、あんな家建てて・・みたいな具体的な目標とする人がいない。まあ会社だけにいたのであまり情報もなく私の視野もかなり狭かったんでしょうね。だからこの業界にいて正直不安だった。（今もまだ不安ですが。）
憧れって大事でしょこの世界。東京の市場とは違うのでそこのスター選手に憧れを抱いてもあまり現実的じゃないし・・・。

去年私はあるタイミングで映画という仕事にたずさわれた。狭い受注発注を繰り返すこの業界とは全く違うぶっ飛び具合に驚かされた。
名刺交換した人をあらためて見てもこんな異業種の人たちとこんなに密になれたり、映画を見に来てくれたお客様と直接コミュニケーションをとることができたり。なんて狭い世界に今までいたんだろうって・・・。
自分の作った作品がアメリカのどっかで上映されてそれで賞とかもらっちゃって、みたいなことって沖縄の広告の世界ではあまりないことですよね。（あっ！世界の若手クリエイターとの広告の交流会あったら楽しいですね！ＯＣＹでできるかな〜？）
世の中の流れでコスト削減、グロス発注、クリエイティブよりまず低価格になりつつある業界でたくさんの素晴らしい人材がほこりをもって高いモチベーションをもって仕事をするにはどうしたらいいか・・・。まずは・・・
目標になる人の誕生！じゃないかと考えた。

東京にでて全国区の顔になるのではなくて、この沖縄という地にこだわり、根を張り、枝を伸ばし実をつけ、全国から注目される沖縄ブランドのクリエイティブ構築を目指すクリエイターの誕生。そしてそれが結果沖縄に対してなにか社会的貢献になっている。
次世代の子たちが憧れたり、希望を持てたり、楽しんでくれたりみたいな・・・。
そんなかっちょいい人がいたら、未来は結構明るいかも。
そんな目標になれるかっちょいい人を目指さなくてはという勝手な使命感に衝動的に駆られちゃいまして・・・。会社、辞めちゃいました。（テヘッ！）
かなり空想的なお話しを長々としましたが、これはＯＣＹメンバーへむけた道連れ的なメッセージです！
まあ会社まで辞めなくてもいいと思いますが、そんな大きな目標をコツコツと具体化していくことをみんながタイムカードを押していたり、朝の全体会議をしている間に、私が自宅でふわ〜っと考えてみようかと思っている次第です。どう？俺ってバカでしょ！どうぞよろしく！


写真：愛用のメガホンに寄せ書きなるものを会社の仲間からもらいました。泣ける・・・。